ペロブスカイト太陽電池とシリコン太陽電池
特徴・限界・使い分けに関する対話の整理
1. ペロブスカイト太陽電池とは何か
ペロブスカイト太陽電池は、結晶構造を持つ材料を用いた新しい太陽電池で、 塗布や印刷のような低温プロセスで製造できる点が大きな特徴である。
主な性質
- 非常に薄く軽量
- 柔軟な基板に対応可能
- 弱い光でも発電しやすい
- 色や透明度を制御できる
2. シリコン太陽電池との比較
シリコン太陽電池は長年にわたり改良され、 高い信頼性と量産体制を確立した完成度の高い技術である。
シリコンの強み
- 長期耐久性と実績
- 高効率で安定した発電
- 確立された施工・保証・保険制度
ペロブスカイトの弱点
- 湿気や熱に弱い
- 長期信頼性が未確立
- 現時点では封止構造が必須
3. 設置とコストの現実
ペロブスカイト太陽電池は、単体でむき出しのまま設置できる段階にはなく、 実際にはガラスや樹脂による封止が必要である。
コスト面でも、将来的な低コスト化の可能性はあるが、 現時点でシリコンより明確に安いとは言えない。
4. 本質的な使い分けという考え方
シリコンと張り合ってどうする。餅は餅屋に任せましょう。
ペロブスカイト太陽電池の価値は、 シリコンの代替になることではなく、 シリコンでは対応できなかった場所を埋める点にある。
活きる用途
- 建物の窓や壁などの建材一体型
- 耐荷重に制約のある建物
- 仮設構造物やモビリティ
- 屋内電源やIoT用途
- 景観配慮が必要な都市部
5. 政策とのズレ
政府の説明では「次世代太陽電池が置き換える」という表現が多用されるが、 これは技術的現実よりも政策的都合を優先した言語である。
本来は補完関係として整理すべきところを、 分かりやすさのために万能技術のように語ってしまう点に問題がある。
6. 結論
シリコン太陽電池は主力電源として使い続けるべき技術であり、 ペロブスカイト太陽電池は、 これまで発電を諦めていた場所に価値を生む補完技術である。
張り合うのではなく、持ち味を活かす。 それが現実的で持続可能な方向性である。