水素社会は実現できるのか環境と産業の二兎追う地方の挑戦
出典:読売新聞調査研究本部レポート- 水素の重要性 燃焼時にCO2を出さない水素は、2050年のカーボンニュートラル実現に不可欠な「究極のクリーンエネルギー」と位置づけられている。
- 「二兎を追う」地方の挑戦 多くの自治体が、水素を単なる「環境対策(脱炭素)」としてだけでなく、「地域産業の育成(経済成長)」という二つの目標(二兎)を同時に達成するための成長戦略に据えている。
- 山梨県の先進事例(P2Gシステム) 山梨県は国内トップクラスの日照時間を活かし、余剰な太陽光電力からグリーン水素を作る「P2G(Power to Gas)」システムを実用化している。
- 「技術」を売るビジネスモデル 山梨モデルの核心は、水素ガスそのものを売るのではなく、水素を製造する「システムや技術」を国内外(中東など)へ輸出して稼ぐ点にある。
- 海外展開と逆輸入の構想 山梨で開発した技術を再エネ価格の安い海外へ輸出し、そこで製造された安価な水素を将来的に日本へ逆輸入するという壮大なビジネスプランを描いている。
- 多様な地域独自の取り組み 香川県高松市では、家畜飼料や皮革加工に使われる「ギ酸」を水素キャリア(運搬媒体)として利用するなど、地域産業の特色を活かした独自のアプローチが進んでいる。
- 政府の強力な支援策 政府は「水素基本戦略」を改定し、今後15年間で官民合わせて15兆円規模の投資を計画。化石燃料との価格差(コスト差)を埋める補助金制度などを整備する。
- 最大の課題は「コスト」 技術は確立しつつあるが、既存の化石燃料に比べて水素の価格は依然として高く、普及にはコスト低減が最大のハードルとなっている。
- 実証から実装への転換 これまでの「実証実験」のフェーズを終え、実際の社会でビジネスとして成立させる「社会実装」のフェーズへ移行できるかが問われている。
- エネルギー安全保障への寄与 海外情勢に左右されない国産エネルギー(または自国技術によるエネルギー確保)の比率を高めることは、日本のエネルギー安全保障の観点からも極めて重要である。
一番言いたいこと
「水素社会の実現には、単に『水素を作る・使う』だけでなく、山梨県のように『技術を輸出して稼ぐ』といった経済合理性のあるビジネスモデルを地方から確立し、環境貢献と産業利益の両立(二兎獲得)を成功させることが不可欠である。」
水素社会は実現できるのか 環境と産業の二兎追う地方の挑戦
https://www.yomiuri.co.jp/choken/quarterly/20251129-OYT8T50004/

