つみかさね

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遭難始末(八甲田山遭難事件)

遭難始末(八甲田山遭難事件)

遭難始末. 〔本編〕 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/844357
遭難始末. 附録 - 国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/844358

1902年 八甲田山遭難事件*1の、陸軍の公式報告書。
遭難事件そのものよりも、その後、どう捜索救助をしたかが中心。日露戦争直前って時期の軍の装備、食事給養、防寒装備、仮設の宿営の作り方なんかの具体例の細部が詳細。

本自体、事件から半年後の慰霊祭にあわせて発刊されたもの。最初に本篇+付録で4セット作られて陸軍大臣などに送られて、その後、付録も合本になったと。国会図書館の蔵書は付録が別冊になってるので、最初に刷られた4部のうちの一つってことらしい。

210名の内199名が死亡した事件の陸軍の始末(陸軍の公式文書)だから信憑性はかなり怪しいところも、新田次郎八甲田山死の彷徨の方が本当のところを書いているかもしれないと疑いながら読んだ方が良い資料です。フィクションと割り切った読み方も面白いかも知れない。

昨日Eテレビで八甲田山遭難事件のことをやっていたので「遭難始末」を探してみた。

例えば
『遭難始末』では、事件の死亡者も戦死者として靖国神社に合祀されるとあるけど、丸山の調査では、1906年に合祀されないことが決定した、結局合祀されてないことが判明したと。

『遭難始末』に収録されてるいくつかの写真も、現場でリアルタイムに撮ったものでなく、後で演出されて捏造されたものだと。人名の入れ替わりもあるとか。