書名:暮らしのなかのニセ科学
著者:左巻 健男
発行所:平凡社 電子本
「人間は騙されるようにできている」ということを前提に考えれば普通に騙される人が当たり前という事になります。そしてそのような人達にニセ科学を見抜くセンスを力説している。非常に真面目な著者です。
「途方もない主張には、途方もない根拠が必要」ーーカール・セーガン
EM、マイナスイオン、食品添加物…世間に氾濫する「効果」「安全」「危険」の真実とは? ニセ科学を見抜くセンスを身につけるのに必要と思われる具体例を紹介し、それらにだまされないためにはどうしたらよいかを考える。
水素水、マイナスイオン、デトックス……。その健康法、本当に科学的? 身の周りにはびこるあやしげな科学。健康で長生きしたいという人の願望につけ入るニセ科学を一刀両断。
一生懸命謎解きを力説しているのですが、やっぱり騙される人は騙される。でも読んでおいて無駄ではない本です。高齢者になってくると段々体のあちこちががたが来て、健康食品(効能書きを書いてはいけない食品)の宣伝(以前はBSのCMだったが、普通の地上波でも放送するようになってきた。)ひだの潤滑油の何とか?それを口から取りこむことで、ひだに届くか?コラーゲンを食べて、肌に効果が出るか?少し考えれば判ること。効果の無いことは言わずに、効果のあることを利用者にしゃべらせる。それに載せられる。という図式ですね。
でもこれは人間が普通の動物と違う。として生きていかないといけないといろいろ抑圧されてきた。人を殺してはいけない。虐殺してはいけない。等々人間であるべき生き方を宗教も哲学も求めてきた。でもほころびが「人間は騙されるようにできている」ですね。
口の中にいれるものは2つ、所謂食物と薬。健康食品などは食物です。効果を謳ってはいけないもの。
著者が真面目に書けば書くほど、うがった視点で読んでしまいました。著者は悪くない読む方が悪いのですが、中々面白いきっかけを与えてくれた本です。結構難しい事も書いてあります。横浜市の電子図書館を眺めていて見つけました。この本は自動で読んでくれます。自分で目で読むよりは遅いけれど楽です。目をつむっていても読書が出来る。昔のラジオで聴いた講談、落語などのように聴けます。