「お前はもう、NVIDIAの犬か、ただの人間か」――東証に吹き荒れる、シン・資本論 |画像生成と会話するAIの魅力と可能性
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かつてカール・マルクスは、世の中を「資本を持つ者(資本家)」と「持たざる者(労働者)」に分けた。だが令和の現代、東京証券取引所でささやかれているのは、もっと残酷で、ちょっと笑える二分法だ。
すなわち、「AI持てる者(NVIDIAの経済圏に飼われている犬)」と、「AI持たざる者(ただの人間)」の格差である。
近頃の東証は、なんだか様子がおかしい。日経平均が上がったとニュースが騒いでも、自分の持っている株はびくともしない。それどころか、市場全体を見渡すTOPIXはこっそり下がっていたりする。一体どこにお金が消えているのかと思えば、すべての富は「AI」という名の怪獣、とりわけその心臓を握るNVIDIA(エヌビディア)の周辺にだけ、掃除機のように吸い込まれているのだ。
その格差は、もはや「修復不可能」なレベルに達しつつある。
味の素で世界を支配する、日本の「フィジカルAI」という生存戦略
普通、AIの最先端と言えば、シリコンバレーの天才たちが冷房の効いた部屋でカタカタとコードを書いている姿を想像するだろう。しかし、日本の株式市場で「AI持てる者」として君臨している顔ぶれは、驚くほど泥臭く、そして物理的(フィジカル)だ。
何しろ、このAI狂騒曲の中で時価総額を爆発させている筆頭格が、私たちが毎晩お世話になっている調味料メーカー、味の素なのだから。
ギャグのようだが、大真面目な話である。彼らが作る「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」という絶縁材がなければ、NVIDIAの超高性能AI半導体は1個たりとも動かない。世界中の天才たちがどれだけ賢いAIの脳みそを設計しようとも、日本の「旨味の技術」がその土台を支えなければ、ただの燃えないゴミになってしまう。これぞ究極の皮肉だ。AIの未来は、アルゴリズムではなく、アミノ酸の会社が握っている。
さらに、データセンターの熱を冷ますためのダイキンの空調、大量の電気を供給するためのフジクラの電線、そして電子回路の至る所に敷き詰められる村田製作所のコンデンサ。
アメリカのIT巨頭たちが「地球の未来を変える汎用人工知能(AGI)だ!」と高らかに理想を打ち上げる足元で、日本企業は「はいはい、じゃあ電気通すんで、これ1個1円ね」「熱いから冷やすね」と、せっせと物理インフラを売りつけている。
世界を支配するAIという神殿は、日本の「町工場の延長線上にある技術」という頑丈な土台の上に、文字通り「物理的」に建っているのだ。
トヨタを抜いた「ソフトバンクとキオクシア」という下克上
このAI格差のせいで、日本のビジネス界のヒエラルキーもひっくり返りつつある。
長年、日本経済の絶対王者として君臨してきたトヨタ自動車。しかし、NVIDIAの最高峰GPUをかき集めて「AIファクトリー(AIの工場)」を建てると宣言したソフトバンクグループや、AIの膨大な記憶を支えるストレージを供給するキオクシアが、一時的にせよ、そのトヨタの時価総額を追い抜くという事件が起きた。
車を作って、運んで、売るという、果てしない労力と時間をかける「ものづくり精神」の結晶が、画面の向こう側の「計算力」と「記憶容量」に一瞬でごぼう抜きにされる。これを諸行無常と言わずして何と言おう。
「うちは100年かけて、世界中の道を走る車を作ってきたんだ!」というプライドに対し、市場は冷酷にこう告げる。
「素晴らしいですね。で、それNVIDIAのチップ載ってます?」
もはや、企業の価値を決めるのは「売上」でも「歴史」でもない。「NVIDIAのCEO、ジェンスン・フアンと、どれだけ密にLINE(あるいは秘密の商談)ができる関係か」という、一点のみになりつつある。
ポジティブに締める、私たちの「持たざる」歩き方
こうなると、AIに関係のない9割の「持たざる企業」や、私たち一般人は、ただ指をくわえて格差社会の底辺を這うしかないのだろうか。
いや、悲観することはない。
どれだけAIが進化し、東証の株価が歪もうとも、彼らが動かすデータセンターは凄まじい熱を出し、膨大な電力を喰らい続ける。つまり、AIが賢くなればなるほど、地球は物理的に暑くなり、喉を乾かせるのだ。
AIが人類の仕事を奪うと怯える前に、私たちは彼らの「お世話係」として、あるいは「味の素のヘビーユーザー」として、この物理世界にどっしりと足を構えていればいい。彼らがデジタル空間でどれだけ神になろうとも、お腹が空いたら味の素の効いたチャーハンを食べるのは、私たち人間の特権なのだから。
修復不可能なAI格差。これから東証で「AI持てる者」(NOT AI持たざる者)として評価される日本企業をChatGPTが特定した:経営者が読むNVIDIAのフィジカルAI
https://blogs.itmedia.co.jp/serial/2026/06/aiainot_aichatgpt.html

