つみかさね

一球一球のつみかさね 一打一打のつみかさね 一歩一歩のつみかさね 一坐一坐のつみかさね 一作一作のつみかさね 一念一念のつみかさね

都市・東京の「親切な置き去り」~79歳名誉教授とアプリの壁~

都市・東京の「親切な置き去り」~79歳名誉教授とアプリの壁~|画像生成と会話するAIの魅力と可能性
https://note.com/chat_gpt777/n/n71d8a9de9173

「シティ、東京!」
そんな輝かしい掛け声とともに、私たちの生活は日増しに『アプリ化』されていく。行政は「これ一つで生活が便利に!ポイントも貰えます!」と笑顔でスマホを差し出す。だが、その画面の向こう側で、どれほど多くの人が静かに途方に暮れているか、想像したことがあるだろうか。
先日、目が見えない79歳の名誉教授が、東京都の公式アプリを前に「詰んだ」というニュースを目にした。彼は決してデジタルを嫌う頑固一徹な老人ではない。むしろ音声読み上げ機能を駆使してスマホを使いこなす、立派な「デジタル現役」だ。そんな彼をして「もう持てない」と言わしめたのが、都の誇る最新システムだった。
行政の言う「誰でも簡単」は、五体満足で、最新のスマホを持ち、通信エラーにも動じない「最強の20代ITエンジニア」を基準に作られているのではないかと疑いたくなる。

画面のボタンに「文字情報」が埋め込まれていなければ、視覚障害者の音声読み上げ機能は「ボタン」というただの記号を繰り返すマシーンと化す。さらに追い打ちをかけるのが、悪名高き「マイナンバーカード連携」と「デジタル認証アプリ」の二段階コンボだ。
「カードをかざしてください」
「エラーです。もう一度」
「時間を置いてやり直してください」
目が見える人間でさえ、何度もスマホとカードを擦り合わせてイライラするあの苦行を、全盲の高齢者に強いるのは、もはや生活応援ではなく「忍耐力のテスト」だ。もし3回暗証番号を間違えれば、待っているのは「平日に区役所の窓口までお越しください」という究極の罰ゲームである。歩行が困難な高齢者にとって、これ以上の皮肉があるだろうか。

そして、この「アプリで詰む」という絶望は、障害を持つ方々だけの話ではない。日本の人口の少なからぬ割合を占める高齢者層全体が、この「デジタルおもてなし」の被害者になり得るのだ。
「指先が乾燥してスマホの画面が反応しない」
「文字を最大にしたら画面のレイアウトが崩れてボタンが押せない」
「アップデートしてくださいと言われても、パスワードを忘れてストアにログインできない」

これらはすべて、我が国の高齢者が日々直面しているリアルな叫びである。彼らにとって、化された行政サービスは、まるで「お持ちでない方はお引き取りください」と無言で告げる、冷徹な自動ドアのようだ。
もちろん、デジタル化そのものを否定するつもりはない。ペーパーレスや効率化は大いに結構だ。しかし、窓口を閉鎖し、すべてを画面のなかに閉じ込めることが「進化」なのだろうか。
本当の「」とは、最先端の技術を誇示することではなく、技術の隙間に落ちてしまう人をすくい上げる優しさのことだ。アプリのバグを修正するのと同じくらい、あるいはそれ以上に、人間の体温が通った「もう一つの選択肢(窓口や電話)」をアップデートし続けることが必要なはずである。
すべての人が、画面の呪縛から解放され、笑顔で行政の恩恵を受けられる日が来ることを切に願う。それまでは、フォンの画面をそっと閉じ、目の前にいる困った人の声に耳を傾ける「アナログな親切」を、私たち一人ひとりがポケットに忍ばせておきたいものだ。

目が見えない79歳名誉教授はスマホ必須「東京アプリ」で詰んだ 小池知事に訴える「持てない」都民の思い

https://www.tokyo-np.co.jp/article/490356

都市・東京の「親切な置き去り」~79歳名誉教授とアプリの壁~

都市・東京の「親切な置き去り」~79歳名誉教授とアプリの壁~