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感染症の収束 — 図表入りまとめ(横書き)

 

感染症の大流行と収束までの期間

質問:コレラ、ペストなどの感染症は急激に大流行して大騒ぎになったことがありますが、どれくらいで収束したのですか?また新型コロナはいつ収束しますか?

① ペスト(黒死病

発生時期:14世紀(1347〜1351年ごろ)にヨーロッパを中心に大流行しました。感染はネズミのノミを介して広がり、致死率が非常に高かったため短期間で多数の死者を出しました。

収束までの目安:初期の大流行は概ね4〜5年程度で大きな流行は終息しました。ただし、その後も局地的な再流行は数世紀にわたり断続的に発生しました。

コレラ

発生時期:19世紀から20世紀にかけて複数回の世界的大流行(パンデミック)が発生。初期の第1次パンデミックは1817年ごろから始まりました。

収束までの目安:一つの波は通常数か月〜1年程度で収束することが多く、しかし数十年にわたり再流行が繰り返されました。上下水道の整備や飲料水の消毒が進んだ20世紀半ば以降、先進国では大規模流行がほぼ起きなくなりました。

③ 新型コロナ(COVID-19)

発生:2019年末。世界的流行は2020年に本格化し、WHOは2020年3月にパンデミックを宣言しました。

収束の段階:WHOは2023年5月に「国際的公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)」の終了を宣言しましたが、ウイルス自体は完全に消滅しておらず、以後も各地で流行の波(季節性)が続いています。したがって「パンデミック段階の終結」は宣言されたものの、感染症としては季節性に定着したと理解するのが現実的です。

比較表(収束の目安)

主な感染症の流行と収束までの目安
感染症 発生(代表) 大規模収束まで 備考
ペスト(黒死病 14世紀(1347〜1351) 約4〜5年 再流行が長期に渡って発生。衛生改善で大規模流行は減少。
コレラ 19世紀〜(1817〜など) 数か月〜1年(波ごと) 上下水道整備で抑制。現在は一部地域で局地流行。
新型コロナ(COVID-19) 2019年末〜 パンデミック段階は約3〜4年(PHEICは2023年5月終了) 以後は季節性に定着。重症化抑制はワクチン等で達成。

図:収束までの期間(概念図)

注:本文中の「収束までの目安」は歴史的・疫学的な研究や公的発表に基づく一般的な解釈を簡潔化したものです。地域や時期により大きく異なる場合があります。

今後の見通し

完全消滅は難しい一方で、ワクチンや治療薬、社会的な対策により重症化や死亡は大きく抑えられます。多くの専門家は新型コロナをインフルエンザのような「季節性呼吸器感染症」として社会に定着すると見ています。

感染症の収束 — 図表入りまとめ(横書き)

感染症の収束 — 図表入りまとめ(横書き)