お金の価値は「半分」になる時代に|画像生成と会話するAIの魅力と可能性
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お金の価値は「半分」になる時代に
― インフレ社会を生き抜く知恵と、かつてのお金の風景 ―
「30年後、あなたのお金の価値は半分に?」そんな見出しの記事を目にして、ふと思い出したのは、私が社会人になりたての1970年代初めのことだった。
■ 金利7%、1ドル360円――「貯めれば倍」の時代
当時の公定歩合は5.5%、定期預金金利はなんと7%。為替は1ドル360円の固定相場。10万円を銀行に預けておけば、10年でほぼ倍になるという時代だった。真面目に働き、少しずつ貯めていけば確実にお金は増えた。漁船に乗れば一攫千金、10年で1000万円を稼ぐことも夢ではなかった。
堅実に生きたい人は、公社債や国債を買っておけば間違いない。そんな時代の空気が、確かにあった。
■ 「お金が減る」時代へ――インフレの現実
しかし今は違う。物価は上がり続け、30年でお金の価値は半分になるといわれる。銀行に預けておいても増えないどころか、実質的には目減りする。だから人々は、金や株、不動産、マンションなどに資金を移し、資産を守ろうとする。資本を持つ人ほどリスクヘッジを怠らない。インフレが起きても資産を守る仕組みを知っているのだ。
結果として、誰もが資産価値を「倍にしたい」と動く。そうした思惑が、バブルを生む。ある意味、自然の流れともいえる。
■ サラリーマンの資産づくり――「三分割の法則」
私のような普通のサラリーマンにできることは限られていた。それでも「現金・土地・株」に分けてコツコツ貯める“三分割法”を実践するのが王道とされた。給与の一割、ボーナスの六割を貯金に回す。そうすれば三十五、六歳にはマンションの頭金くらいは貯まる。それが「できない世の中」は、政治の責任でもある。
また、定期的に貯める習慣をつけると、「信用」という目に見えない資産が積み重なっていく。それを教えてくれたのは、私が高校生のころ、叔父が話してくれたお金の哲学だった。
■ 「お金の話は卑しい」という日本の風土
社会に出てから、会社ではお金の話をする人はほとんどいなかった。「お金の話をするのは卑しいこと」とされていたからだ。だが今にして思えば、それこそが日本人の弱点だったのかもしれない。正面から「お金」と向き合う教育を受ける機会がなかったのだ。
■ 邱永漢に学んだ「お金の哲学」
そんな中で出会ったのが、台湾出身の作家・邱永漢(きゅうえいかん)だった。彼は直木賞作家でありながら「お金儲けの神様」と呼ばれ、多くの実践的な金銭論を書いた。
「株は自分の金で買え。借金して買うな。長く持てば必ず儲かる。短気を起こしてすぐ売るな。」
彼の話はどれも現実的だった。松下幸之助は株を売らずに持ち続けた。デパートのエレベーターガールや運転手付きの車――一見ムダに思えるものも、実は「景気が悪くなったときに削る余地」として会社の健全さを支えていたという。
どの話も、いまの時代にも通じる。邱永漢には、日本人にはない明るさと大胆さがあった。小金持ちとしての余裕を楽しみながら、のびのびと生きた人だった。彼の発想力は、人の見落とすところに光を当てるものだった。
この二つをどう育てるかが、これからの豊かさを決める。
■ おわりに――「お金」とどう向き合うか
「お金の価値は半分になる」と言われる時代。だが、恐れるよりも、仕組みを知り、考え方を変えることが大切だろう。昔のように金利が味方してくれる時代ではない。だからこそ、自分の頭でお金を“働かせる”ことが求められている。
お金は道具であり、信用は資産である。そして、その両方をどう使うかが、これからの「豊かさ」を決めていくのだろう。
30年後、あなたのお金の価値は「半分」に? まじめに働くだけでは貧しくなるインフレの「シビアな現実」
https://gendai.media/articles/-/157266